ateliers PENELOPE

d0113671_15254944.jpg


ateliers PENELOPEの「色」というのがある。
それは唐澤さん自身が絵の具を溶き、
とりどりの微妙な配合で生まれる色。
だから他の誰にも真似できない。



「ちょうど若葉が気になる季節だったから、
春夏にいいかしらと思って創った色」というライトグリーンは、
当初の予想を超える人気色になった。
少し明るすぎるかな…と感じても、
外に出ると自然と景色に馴染んで色浮きしない。
ブラックも真っ黒とは違う柔らかな色味で、
ベージュの服に載せても違和感がない。

「季節ごとに映える植物、空、風景、あるいは食べ物…
自分が美しいと感じる色は自然の中にある。
そういう色を一つひとつ創って、全体として調和するように考えています」
そんな唐澤さんにとって、
日々の暮らしに添わない色を傍らに置くことなど考えられないだろう。
つくり手ならば尚のこと、譲れない拘りだと思う。


d0113671_15272993.jpg



カタチもまた同じ。
彼女と話していて
「マチの具合が絶妙だからモノがバッグの中で躍らない」と言ったら、
「そう?何も難しいこと考えてる訳じゃないのよ(笑)」という答え。
ならば、それこそアーティスト唐澤明日香の経験と感性が生んだ
結晶なのだと思い知り、あらためて感服した。

私にとって、サファリショルダーは4つ目のateliers PENELOPEだった。
「ものをいっぱい入れて、原型を忘れるほど使い込んで欲しい。
最初からそう思ってつくったバッグです」
その言葉通り、彼女のサファリは低部が緩やかに丸みをおびて、
それが独自の風合いを感じさせる。 かっこいいのだ。

d0113671_15281113.jpg


唐澤さんの「ものつくり」の基本は、
『多様性を重視して、それを使うことで
持つ人の個性が現れるもの』
という潜在的な想いにある。 それも納得。


果たして、毎日使うアイテムに求めることは何だろう?
ゴテゴテした欲求を削ぎ落とし、
本当に必要な機能と美しさを追求した答えが
PENELOPEのバッグにはあると思う。
だから私は、4つのバッグをぐるぐると使い回し、
それで何の不足もない。むしろ極めて爽快。

語る理想をカタチにすることの難しさ、
それを続ける意味と価値の重さは並ではない。
それでも唐澤さんはつくり続ける。
以前、BonAppetit-2の取材で聞いた彼女の言葉が忘れられない。
「想いを伝える術があるのは幸せなことです」

text by Fumie Nagai

d0113671_15283695.jpg

[PR]
by bonappetit2007 | 2009-03-18 15:17 | 作家
<< #141 オイシイはなし #140 ポジティブ撮影ウラ話 >>