『PENELOPE―ペネロープ』 ギリシャ神話に登場する女性の名前。 その姿は優美でありながら、 内に秘めた信念を貫く強さを持つ女性であったという。 使う人を限定しない、万人に愛されるデザインとクオリティのバッグ。 ateliers PENELOPEのデザイナーであり、 オーナーの唐澤さんは、客層の幅が広いほど嬉しいという。 「年齢も性別も関係なく、多くの人に使ってもらって、 その結果をつくり手として受け入れたい」 という姿勢は、モノと情報が溢れる時代にあって驚くほど潔いと思う。 「今は何でも同じ方向へ向かっていて、 普通のモノが手に入らなくなってしまった。 私は本当に必要な、普通のモノをつくり続けていきたいと思います」 言いえて妙。 売れることを追求し、誰かの真似をくり返した結果、 いつの間にか今は原型にこそ希少価値が存在するような気がする。 唐澤さんは、いつもこの仕事をする意味を考え続けてきた。 やり始めた以上は成し遂げたい……。 そして、自分にはこれしかないと覚悟したとき、 自らの心を落ち着ける場所が アトリエで主人を待つミシンの前になった。 凛として仕事と向き合う唐澤さんは、 店名と同じ、神話の中のPENELOPEのようだと思う。 ateliers PENELOPE「息する空間でつくり続けたい」 BonAppetit-2(2007年10月発行)より抜粋 ある雑誌に掲載されていたバッグに一目惚れをした。 モデルさんの傍らに、きりっと佇んでいたのが ateliers PENELOPEのバッグ。 変な話だけれど、私の物欲は人並み以上だと思っている。 でも、ファッション誌で見つけた商品が どこのものか調べて買いに走る!なんてことは一度もなかった。 その私が、初めてページの片隅に 小さく書かれた店名だけを頼りに場所を探し、 営業時間を確かめ、いざペネロープへと向かったのが2年前。 代官山のマンションの一室から、 現在は中目黒へと居を移したが、 いつも小さな驚きを与えてくれるバッグはもちろんのこと、 唐澤さんが醸す心地良さと、スタッフの柔和な笑顔は何ら変わらない。 text by Fumie Nagai
by bonappetit2007
| 2009-10-01 18:03
| 作家
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