アクセサリーを前にして、 あれこれ迷いながら自分に似合う「ひとつ」を選んでいるとき、 女性は幸せだなぁと思う。 輝く石や金属、ガラスにビーズ、革etc。 使用される素材は様々で、 創り手によってカタチも自在なアクセサリーは、 身につける楽しみと発見する楽しみの両方がある。 Shioさんがつくるピアスを知人が購入したときのこと、 それは2年も前のことだけれど、 そのゆったりとした時間を今でもはっきりと憶えている。 接客する彼女の落ち着いた物腰と、 自由な曲線を描く作品がミスマッチのようでいて、 実はしっかりと同じ根を持つ植物みたいだ……と、 第三者の私は不思議な関心を持ったのだった。 鋳金(ちゅうきん=溶かした金属を型に流し込み成形してつくるもの)の 面白さについてShioさんに伺った。 「原型をロウや粘土でつくるので、 自分が考えたカタチのままが作品として出来上がってくるのが面白い。 頭の中のひらめき→→→完成形が見える! っていうストレートなプロセスが合っているんですね。 性格がせっかちなのかもしれません」(笑) 美大時代から自分の手で 何かを創ることが好きだったというShioさんの作品には、 植物や動物をモチーフにしたものが多い。 ときには山でスケッチして、様々な作品の素を集めるのだという。 「カタチと同時に、金属の色も楽しんでもらいたい。 シルバーやゴールドの定番はもちろん、 真鋳やブロンズも、それぞれに表情がありますから」 色の感覚もまた、 マイペースに観察収集して蓄積した、作家Shioさんならではだ。 「普段、あまりアクセサリーをつけない方が手にとって下さったり、 何かの記念にとお買い求め頂いたりと、人との出会いも楽しい。 何より、お客様に喜んで頂けるものをお届けできれば、 それが一番嬉しいです」 自分が見たいもの、こんなものがあったらいいなぁ……を 実際に創れる幸せ。 そして思い通りに生まれた作品をピカピカに磨いているときが 最高だと語る彼女にとって、それは我が子同然なのだろう。 Shioさんが、ひとつひとつ愛情を込めて磨いた作品たちは、 今日も静かに嫁ぎ先を待っている。 text by Fumie Nagai
by bonappetit2007
| 2010-03-05 18:31
| 作家
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