#91 器やさんのつぶやき

町の器やさん(食器屋さんです)で、
小鉢ひとつを購入したときのお話し。
お会計の段。
器やさんが、最近は食器も値上げせざるを得ないのだけど、
お客さんに「なんで食器まで!」って
チクチク言われちゃうんですよねェ~と、ボソっとつぶやきました。

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「器を焼くときの燃料の問題、割れ物だからこその包装材の問題、
加えて季節移り、そのときの流行りというのも頭に入れて入荷しないといけない。
でもそうすると少量入荷になって、また余計なコストがかかる」
…云々と続き、そのうちに
中国ギョーザ問題(忘れかけてた)にまで話題が飛びます。

「アレでやっぱり自家製が一番ってことになって、
ぬか漬けは当然、梅干しを漬ける人、梅酒をつくろう!
味噌もつくってみよう!とか、今までは動かなかったような
大き目の『壺』が売れるんだけど…(タメ息)。
ところが、どこも同じで需要があるからモノが入ってこない、
入荷3ヶ月待ちしてたら季節が変わっちゃうよ。(泣)」

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一方で、ギャラリーで扱われるような作家モノは
何にも左右されず飛ぶように売れて行く時代です。
値段があってないようなもの。
それが作り手の顔が見える器の妙でしょうか。

「そうそう、アレ見た?」
ひょいと持ってきた湯のみ茶碗ひとつ。
「だいぶ前に仕入れたコレ、5万。
何でも日本の作陶10傑に選ばれたってワケで、
今なら50万するってお客さんに教えてもらったんだけど、
だからっていきなり値上げ出来ないし、町の食器やで誰が買います?」

30分ほど続いた器やさんのつぶやきは、
どこまでも不遇な時代を迎えてしまった生業への嘆きであり、変わらない愛情でした。

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家に戻ってボナ3の袋詰め。
そういえばコレ一枚も値上がりしたっけ。。。
果たしてBon Appetitは、作り手の顔が見える器と相成りますか…永遠の課題です。

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text by Fumie Nagai
               
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by bonappetit2007 | 2008-04-15 21:48 | 編集日記
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