町の器やさん(食器屋さんです)で、
小鉢ひとつを購入したときのお話し。 お会計の段。 器やさんが、最近は食器も値上げせざるを得ないのだけど、 お客さんに「なんで食器まで!」って チクチク言われちゃうんですよねェ~と、ボソっとつぶやきました。 「器を焼くときの燃料の問題、割れ物だからこその包装材の問題、 加えて季節移り、そのときの流行りというのも頭に入れて入荷しないといけない。 でもそうすると少量入荷になって、また余計なコストがかかる」 …云々と続き、そのうちに 中国ギョーザ問題(忘れかけてた)にまで話題が飛びます。 「アレでやっぱり自家製が一番ってことになって、 ぬか漬けは当然、梅干しを漬ける人、梅酒をつくろう! 味噌もつくってみよう!とか、今までは動かなかったような 大き目の『壺』が売れるんだけど…(タメ息)。 ところが、どこも同じで需要があるからモノが入ってこない、 入荷3ヶ月待ちしてたら季節が変わっちゃうよ。(泣)」 一方で、ギャラリーで扱われるような作家モノは 何にも左右されず飛ぶように売れて行く時代です。 値段があってないようなもの。 それが作り手の顔が見える器の妙でしょうか。 「そうそう、アレ見た?」 ひょいと持ってきた湯のみ茶碗ひとつ。 「だいぶ前に仕入れたコレ、5万。 何でも日本の作陶10傑に選ばれたってワケで、 今なら50万するってお客さんに教えてもらったんだけど、 だからっていきなり値上げ出来ないし、町の食器やで誰が買います?」 30分ほど続いた器やさんのつぶやきは、 どこまでも不遇な時代を迎えてしまった生業への嘆きであり、変わらない愛情でした。 家に戻ってボナ3の袋詰め。 そういえばコレ一枚も値上がりしたっけ。。。 果たしてBon Appetitは、作り手の顔が見える器と相成りますか…永遠の課題です。 ★Bon Appetit 3「花咲く出会いを見つけた人の話」 本日発売です! text by Fumie Nagai
by bonappetit2007
| 2008-04-15 21:48
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