河井寛次郎(1890-1966)という名前を聞いたことがありますか?
『柳宗悦、濱田庄司らと共に民藝運動の中心的役割を果たした陶芸家』 というのが間違いない解説ですが、実はとてもチャーミングな方だったようです。 先日、横浜美術館で行われた「京都に息づく美とデザインに学ぶ」にて、 河井寛次郎記念館の学芸員で実孫でもある、 鷺珠江さんのお話を伺う機会がありました。 「科学者の目と詩人の心をもつ人」であったいう祖父が、孫に日々かけた言葉は 「今日は柿の種だね」 「今日はメロンの種だね」のいずれか。 柿の種=元気(硬くてしっかりしている)、 メロンの種=元気がない(弱弱しい) という意味だったそうです。 鷺さんは、大人と子どもの会話の中にも 異種のモノを結びつけることの楽しさを教えてくれる、 そんなお祖父ちゃんが大好きだったと言います。 一方で「人が人をランクづけることのナンセンスを感じていた」(鷺さん談) 河井寛次郎は、数々の賞や文化勲章、人間国宝の推挙を辞退します。 生涯で受けた賞は、全幅の信頼をおく友人が出品した、 昭和12年のパリ万博と、32年のミラノトリエンナーレのグランプリのみ。 当時のインタビューに 「賞はモノが貰うもの。あれは友人が出品しただけ、ただそれだけのことです」 と答え、 「自分は、ただ形のものが好きなんです」と語るスゴイ人は、 本当に自分らしい素敵な生き方をした方なのだと思います。 text by Fumie Nagai
by bonappetit2007
| 2007-11-24 22:33
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