デパ地下で「冬の水羊羹」というのを見つけました。 冬なのに水羊羹?…ちょっと考えて飛びつきました。 ちょうど昨年の夏の終わりに読んだ 向田邦子さんの随筆「水羊羹」を思い出したのです。 水羊羹を食すとき、 「ムードミュージックは、ミリー・ヴァーノンの 『スプリング・イズ・ヒア』が一番似合うように思います」 という一節に惹かれた人は多いと聞きますが、 私もその一人です。 もちろんミリー・ヴァーノンも入手済み。 そして今夏は水羊羹を食すのだ! そんなコテコテのちっちゃな野望を抱いていました。 そこに突如現れた「冬の水羊羹」。 これがなかなかの風体をしています。 なんといいましょうか、 つるっと光る甘い水が美しくて、 その上を竹べらでするすると切り分ける 「ひと手間」が魅力的です。 さて、ようやくミリーの出番と思いきや、CDを手にとって考えました。 違うでしょう…? 夏のそれと何処が違うのか分からない「冬の水羊羹」を前にして思いました。 窓を固く閉じた家の中で凍てつく北風をシャットアウトして食べるのです。 南から北へと抜ける暖かな空気を感じて食べる季節とは、 リズムが、テンポが違います。 結局この日、ムードミュージックは封印。青く澄んだ空を眺めながら ぺロリと全べてをお腹におさめた頃、よいアイデアが浮かびました。 グレーとオレンジが混ざる夕景を見ながら食べたら素敵だっただろうなぁと。 「『冬の~』とか、そういうネーミングに踊らされちゃったんじゃないの?」 (=ズバリその通りでございます…) という指摘をされたけれど、踊って発見することもあるもんです。 text by Fumie Nagai
by bonappetit2007
| 2008-02-18 11:20
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